おしながき 2016秋
よんまさんの新作音源「おしながき 2016秋」が届いた。よんまさんと言えば、本物のおかもちの中にモジュラーシンセを詰め込み「出前」と称してコックスタイルの衣装でライヴを展開している、国内外のモジュラー界では有名な人物。音源を「おしながき」と名付けるあたり、彼流の世界観が徹底していてホントに素晴らしい。聴く側がフィジカルメディアで受け取る喜びや感動をちゃんと意識したパッケージデザインになっているあたりもニクい。完全なるコンセプチュアルアートだ。
封筒にもステキなイラストが。
盤は手焼きのCD-Rだけど、PCに入れるとちゃんとCDDBに登録されていてタイトルが表示される。こういう細やかなところにキチンと気を配れるのは素晴らしいと思う。
この「おしながき」シリーズは、毎回モジュラーシンセとCV/GATE仕様の改造ピ◯チュウを組み合わせた音が中心なのだが、モジュラーシンセ音楽にありがちな単なるアブストラクトな垂れ流し系で終わっていないところがこれまた素晴らしい。今回の新作「おしながき 2016秋」はこれまでのスタイルを踏襲しているものの、メニューに「大辛」「激辛」と謳われているように、かなりソリッドでエッジの効いた硬派な音作りとなっている。山椒と唐辛子がビリビリだ(笑)。
よんまさんのような“それを踏まえた”活動をされていらっしゃる人にはとても惹かれる。モジュラー使ってます、CV/GATEピ◯チュウ使ってます、R◯landの新作使ってます、ゲームボーイ使ってます、みたいな“ただそれだけ”で“金をかけて機材揃えてるだけ”で完結しちゃってる人ってホント多いんだけど、よんまさんはそれを踏まえた上でその先にある表現をちゃんと追求している姿勢がステキ。そんな人に自分が作った機材が使われているなんていうのは制作者冥利につきる。
「おしながき」はよんまさんのサイトから通信販売で購入できます。
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