ピカルミンの新たな進化
ピカルミンの「ルミン」は、楽器「テルミン」からきている。ピカルミンのピッチコントロール部分には光センサを使用していて、手をヒラヒラさせるとセンサの受光量が変化してピッチが変わる。その時の手の動きがあたかもテルミンを演奏している姿に似ているため、その名を付けた。
ただ、この光センサは当然ながら周囲の明るさに大きく影響を受けてしまう。ライヴハウスなどの暗い場所だと比較的イイ感じでテルミンっぽく演奏できるのだが、反対に昼間の屋外だと高い声で鳴き続けるだけであまり効果が得られない。
その欠点を逆手にとってペンライトやLEDのフラッシュライトを当てたり、ピカルミンの頭をアイアンクローのように手で覆って極端なピッチ可変効果を狙ったりという演奏方法が全国のピカルミニストたちによって編み出されていった。それに関しては嬉しい誤算だったが、やはり自分の中ではちょっと納得がいってなくて。光センサ仕様のピカルミンとはまた別の、そもそものコンセプトに準じたピカルミンをちゃんと作りたいと思い、ここしばらくはずっとこのプロジェクトに没頭していた。
単純に考えて、光センサを何か別のモノに置き換えればいいわけで。まず思い浮かぶのが赤外線。RolandのDビームみたいな感じのもの。そこで色々調べてみたところ、測距モジュールというものを使えばイケそうだということが分かった。まぁ詳しいことはここでは書かないけど、要するに照射される赤外線とそれを遮る物体との距離によってそのモジュールから発生する電圧が変化するというもの。その電圧はアナログとして取り出せるので、このモジュールに直接フォトカプラを繋いでピカルミンのピッチ部分へ渡せばOK。測距モジュールにはいくつか種類があったが、ルックスがカッコよかったのでとりあえずSHARPのGP2Y0A21YKを使って一匹作ってみた。
実際に作って操作してみると、このモジュールはちょっとクセのある仕様で、電圧と距離の関係が直線ではないために、手の動きと出音の関係が感覚的にしっくりこない。あと、測定距離が5~80cmと、かなり長いため逆に演奏には若干不向き。電源電圧も4.5〜5.5Vなので、100円ショップのUSBバッテリーチャージャーをバラして取り出した昇圧回路を流用してピカルミンの3V電源から5Vを作らなくてはならないのでちょっと面倒くさい。ハーモニカを吹いているようなルックス(通称:長渕剛モデル)が面白かったが、ヤフオクに放出した。
さらに色々と調べていくと、このGP2Y0A21YKの欠点を補うようなタイプのモジュールを発見。同じくSHARPのGP2Y0E03という非常に小さいモジュールで、電圧と距離の関係が直線、電源電圧は2.7〜5.5V、もちろんアナログ電圧出力。コイツはイケそうだ!ということで、とりあえず一匹作ってみた。
モジュール自体が非常に小さいのと、三角法による測定のために赤外線と物体とがキチンと垂直の状態になっていないとダメ。ほんのちょっと手を動かすだけで測定不可になってしまう。かなりシビアな位置関係を要求されるので実際の演奏にはあまり向いていないようだ。これもヤフオクへ放出。
ここでちょっと測距モジュールから離れて、何か違うモノで実現できないかとさらに色々と調べていき、最終的にフォトリフレクタにたどり着いた。赤外線LEDとフォトトランジスタが組み合わされた電子部品。コイツはイケそうだ!ということで、とりあえず一匹作ってみた。
赤外線の反射を高めるために白い軍手をして演奏している。これまでの測距モジュールと比べて、手の動きと出音の変化が感覚的に合っている。イイ感じ♪
大体こんな感じ、というのは意外に難しかったりする。改めてRolandのDビームのスゴさを実感した次第。
というわけで、周囲の明るさに左右されないピカルミンがようやく完成!実際には自然光などから若干の影響は受けるらしいんだけど、まぁ気にしない。
ご注文、お待ちしておりますw
GP2Y0A21YK
GP2Y0E03
LBR-127HLD
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