KEEP ON BENDING!!
サーキットベンディングはパンクやヒップホップと同じだと思っている。と言っても音楽的な話しではなく思想というか精神というか考え方の部分での話し。破壊することで創造する、物事を斜めの視点でズラして捉える、誤用が産み出す新たな価値観、再構築、再評価…etc. サーキットベンディング、パンク、ヒップホップは非常に共通性と親和性のあるジャンルだと思う。だから惹かれてしまう。
中学2年の時にピストルズに出会ってからパンクにハマり、高校3年の時にRUN DMCをリアルタイムで体験してヒップホップにハマり、大人になってからネットで知ったサーキットベンディングの世界に触れてどハマりしてから10年が経った。現在進行形で今だにそういう路線を突き進んでいるオトナゲナイ自分だが、相変わらずサーキットベンディングは面白いんだから仕方がない(笑)。
でも正直なところ、現在では世界的に見てもサーキットベンディングはもはや焼け野原状態で、特に新しいテクニックが出てくるわけでもないし、素材となるオモチャも現行のものは完全にブラックボックス化されてしまって弄れるポイントがほとんど無く、改造対象のオモチャはプレミア価格のヴィンテージ物ばかり。音楽的にはいつまでもエレクトロニカやノイズといった形骸化したジャンルに括られているだけだし、自作楽器はゼロから作り上げることが美徳みたいな風潮が相変わらず残っているせいでサーキットベンディングみたいな魔改造は邪道扱い。もう完全に“オワコン”だ。ネットで検索してもリアルタイムな生きたサーキットベンディング情報というのはあまりヒットしないのが現状。世界中からほぼリアルタイムで最新の情報が得られたポータルサイトだった「GetLo-Fi」も今や数ヶ月に一回、サーキットベンディングのワークショップの告知情報が載る程度のものになってしまった。
でも、個人的にはそれでイイと思っている。自分が始めた10年前と比べると、サーキットベンディングという言葉自体はかなり浸透している気がする。時々ライヴイベントなどで雑談している時に「サーキットベンディング?魔改造とか?」「ノイズ楽器作るやつでしょ?」なんて話しができる機会が増えてきただけでもスゴいことだ。
特に爆発的なブームになることもなく、サーキットベンディングはいつまでも知る人ぞ知る的なムーブメントであり続けることが「正解」なんだと思っている。常にアンダーグラウンド。しぶとく中指を立て続ける反骨精神。KEEP ON BENDING!!
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